千種区域の由来

動物名が隠れている千種区エリア

名古屋市千種区の東山タワー

猪子石

猪子石(いのこいし)は町名ではなく明治39年までは猪子石村でしたが、高社村と合併して2つを足して2で割ったような猪高村になりました。 それでもまだ村ですが、後に町へとなるので心配いりません。 名前からイノシシ臭さがプンプンしますが、イノシシの神様が光臨した実績でも持っているのだからそんな名前になったのでしょうか。 それともイノシシの子供が村中を駆け回っていたから猪子が含まれる村名になったとお考えになるのでしょうか。 正解はしし鍋が名産物だったからでもなくイノシシに村人が襲われたからでもなく、香流川にいのこ(猪)にそっくりの石があったからだそうです。 しかも北側と南側に2つあり、それぞれ牡石・牝石と村の象徴として親しまれていたので猪子石村となったのです。 イノシシっぽい石がひとつだけならわざわざ村名にしなかったでしょうが、ふたつもあったらこれを利用しない手はありません。 「こんな偶然があるのか、せっかくだから村の名前にしてみよう」と村民達もみんな賛成の満場一致で猪子石村が誕生したのでしょう。 今は野生のイノシシは名古屋市内で生息していないかもしれず動物園に行かなければお目にかかることもないでしょうが、当時はよく出没していたことも伺えます。 「この石イノシシっぽいよね」と思うためにはイノシシの姿を知っていることが条件になるので、猪の形状を知っていたはずなのです。

蝮ヶ池

愛知県に限らずそこでよく目撃された生き物など、動物が由来の地名も世界中にあるので名古屋市内にも当然のようにあります。 蝮ヶ池(まむしがいけ)もそうで、「まむしが生息している池」ということでこの名前になったとの説が有力な候補になってます。 ただしそれが正しいのかは意見の分かれるところで、他にも末森城の真西(まにし)にあるからという説、反対に名古屋城が真西(まにし)にあったからという説もあり、 それがなまってまむしになったとも考えられています。 ですがこうなると「真西ってのは表現を変えれば真東じゃん」という人も出てきそうでこじつけっぽさもあり、真西になにかがあれば全ての土地が「真西(まむし)」 の地名を手に入れることができてしまいます。 真西に山があれば蝮ヶ山、真西に小川があれば蝮ヶ小川、このようにほぼ全ての場所が真西になにかしらあるでしょうから類似した地名だらけになってしまいそうです。 なので個人的には方角由来ではなくマムシ由来であって欲しいと思いますが、でもマムシの住む池も少なくなさそうですし結局は日本中に蝮ヶ池があってもおかしくは ないという結論にたどり着いたのでもうどうでもいいです。 マムシ料理で有名になって今でもおみやげで大人気、とかならば誇れますが、ただその昔ここらの池にはマムシがいましたよというだけではパンチ不足です。 何百年か昔には池も山もマムシもありふれており少しも珍しいものではなかったと思いますので、地名にするほどではなかったかもしれませんね。

猫洞通

世界一可愛い動物の1種に猫(にゃんこ)がいます。 ペットとしての人気は犬(わんこ)以上で、一戸建て住宅ではなく集合住宅のアパートやマンションで1人暮らしをしている女性にも飼育されています。 その猫の付く地名に猫洞通(ねこがほらとおり)がありますが、生物の猫とは関係なさそうなので期待した人は残念がるかもしれません。 猫大好きだから住所に猫が付く所に引っ越したい、という人は少なくないようで、地名や住所に詳しそうな引越しセンターや軽貨物便を扱っている運送会社に電話して 「今度引越ししたいんですが。場所は決まってません、猫っぽい地名の場所があったら紹介してもらえないでしょうか」と尋ねるOLさんもいるようです。 なので猫洞通もわりと1人暮らしの女性に人気の土地になる可能性を秘めていますが、ここへ行けば野良猫がいっぱいいるわけではないのでそこに期待してはいけません。 猫ヶ洞池から猫洞通と名付けられたらしいのですが、猫ヶ洞池も猫が泳いでいたからそう呼ばれるようになったのではなく、近所にあった兼子山から頂いただけのようです。 兼子(かねこ)からなまってねこ、なので猫自体は全くの無関係だそうです。 それでも無機質な住所よりは獣臭さを発しているので、心の底から猫を愛している名古屋に1人暮らしをしたい女性なら引越し先の候補地に入れても後悔はしないでしょう。 それか野良猫は諦めてペットショップで血統書付きの生まれたての子猫を購入して、部屋の中で可愛がってあげても欲求は満たされるかもしれません。